行政書士 中村としみ事務所
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WITH A WILL

遺言書がある場合の相続手続き

※本ページは、当事務所執筆の専門冊子『想いをつなぐ相続と遺言』の12ページの内容をWeb公開したものです。

本連載の構成

◆ 相続
◆ 遺言
  • ・第7回:遺言書の書き方 (準備中)
  • ・第8回:遺言書が効果的な場合 (準備中)
  • ・第9回:成年後見制度 (準備中)

1. 遺言書に沿った手続き

相続人が遺言書を残していた場合は、原則としてその内容に従って相続手続きを進めます。公正証書遺言や法務局の自筆証書遺言保管制度を利用した遺言書は、家庭裁判所での検認は不要です。一方、自宅などで保管されていた自筆の遺言書については、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。遺言書に「遺言執行者」が指定されている場合は、その人が遺言の内容に従って各種手続きを進めます。

/ 遺言書があるときの手続きの流れ

  • 遺言書の種類を確認する(自筆証書か公正証書か)
  • 検認が必要か確認する
  • 遺言執行者の就任または選任
  • 財産を調査し手続きを進める

💡 終活ノートやビデオレターは遺言書になる?

想いを伝える手段として、終活ノートやビデオレターはとても大切な役割を果たします。でも残念ながら、法的な要件を満たしていないと、正式な遺言書としては認められません。財産の分け方など法的な効力を持たせたい内容は、やはり正式な遺言書の作成が必要です。

2. 遺言執行者(いごんしっこうしゃ)

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。預貯金の解約や不動産の名義変更など、遺言に基づく手続きを行います。

  • 現金や預貯金、不動産、有価証券などを調査・確認し、財産目録を作成します。
  • 金融機関で預貯金の解約・払戻しなどの手続きを行い、遺言に従って財産を分配します。
  • 不動産は、遺言書の内容に従って名義変更(相続登記)を行います。
  • このほか、遺言書の内容を実現するために必要な手続きを行います。

◆ 遺言執行者を選任しておいたほうがよい場合

  • 家族間の関係が複雑な場合や、過去に相続をめぐってもめた経験がある。
  • 共有名義の不動産や事業資産などの財産の内容が複雑で、相続手続きがスムーズに進みにくいとき。
  • 「認知」「相続人の廃除」「遺贈」など、遺言執行者がいないと実現できない内容がある場合。

◆ 遺言執行者の選任と就任について

  • 遺言書で指定された人であっても、本人の意思によって就任を辞退することが可能です。
  • 遺言書に執行者の指定がない場合は、相続人の申立てにより、家庭裁判所で選任できます。
  • 遺言執行者には、相続人や親族を指名することも可能です。ただし、相続手続きを円滑に進めるためには、弁護士・司法書士・行政書士など、専門家に依頼するのが安心です。
※自宅などで保管されていた自筆証書遺言が見つかった場合は、原則として家庭裁判所で「検認」の手続きが必要です。封がされている遺言書は、家庭裁判所で開封するため、勝手に開封しないようにしましょう。開封しても遺言書が無効になるわけではありませんが、過料の対象となる場合があります。遺言書の状態を保ち、改ざんなどの疑いを防ぐためにも、まずは家庭裁判所で検認を受けることが大切です。

3. 遺言書と異なる遺産分割について

💡 遺言書があっても全員が合意すれば、別の分け方もできます。

遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って遺産を分けます。ただし、財産や相続人の状況が変わっていたり、内容が実情に合わない場合などは、相続人全員と受遺者(相続人以外で財産を受け取る人)など関係者全員が合意すれば、遺言書とは異なる分け方をすることもできます。合意した内容は遺産分割協議書にまとめ、相続人と受遺者全員が署名・実印を押して正式な書類とします。ただし、遺言書に「遺言どおりに分けること」などの強い意思が示されている場合は、遺言どおりに手続きを進める必要がある場合があります。

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